大腸菌で異種タンパクの発現について。
ODをチェックしてIPTGで誘導をかけるのはめんどくさいので、最近オートインダクションを多様しています。
また、オートインダクションは培地の液量あたりで得られる菌体量がIPTGに比べて多いので得られるタンパク量も多くなります。
時々、オートインダクションで発現しなくてIPTGで発現するものもあるようです。
炭素源にグルコースとラクトースを培地に加えておくと、大腸菌がグルコースを食べ終わってからラクトースを食べ始める。
ラクトースがアロラクトースに変換され、lacリプレッサーと結合することでlacリプレッサーがlacオペレーターから離れるので、目的遺伝子の転写が始まるというメカニズムです。
β-ガラクトシダーゼ (lacZ)、ラクトースパーミアーゼ (lacY) 欠損株ではインダクションがかかりません。
追記: blue-white selectionに使える株、つまりJM109などはlacZが欠失しているので使えません。
BL21 (DE3) とpET系がよく使われていると思いますが、この組み合わせはもちろん使えます。
培地の組成 (TB ベース)
A
トリプトン 12 g
イーストエクストラクト 24 g
860 mlにメスアップ
B
KH2PO4 2.2 g
K2HPO4 9.4 g
100 mlにメスアップ
AとBをそれぞれオートクレーブで滅菌し、室温まで冷えたら混合
60% グリセロール 10 ml、10% グルコース 5 ml、8% ラクトース 25 mlを加え完成
TBベースでなくても、LBや2xYTにグリセロール、グルコース、ラクトースを加えてあげればオートインダクション培地ができます。
発現は、LB + 1% グルコースで一晩培養し、オートインダクション培地に植継
植継ぐ量は培地の1/1000
37°Cでは12 h
30°Cでは24 h
培養してあげれば目的タンパクが発現しているはず。
試験官で発現条件のスクリーニングをする時は、培地を3~5 ml入れて大腸菌のコロニーを直接オートインダクション培地に植菌してあげればOKです。
http://ajaja.blog.shinobi.jp/protein/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%80%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%9F%B9%E5%9C%B0オートインダクション培地
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