コンピテントセルの調製 (井上法)
1日目
-午前中のうちに大腸菌をLB培地に植菌、37°Cで培養
-SOB培地とtransformation bufferを調製しておく
-夜、帰る時に大腸菌の培養液1 mLを100 mLのSOB培地に植継ぎ、18°Cで培養
バッフル付フラスコか、坂口フラスコを用いる
2日目
-OD600を確認
0.55がベストなようだが、多少違っても充分なコンピテンシーを確保できる
-50 mLのファルコンチューブ2本に培地を回収し、遠心分離 (2500g, 10 min, 4°C)
-上清を捨て、氷冷したtransformation buffer 20 mlを各チューブに加え、懸濁する
ボルテックスやピペッティングではなく、チューブを旋回させ懸濁する。
-遠心分離 (2500g, 10 min, 4°C) し、上清を捨てる
-再度、氷冷したtransformation buffer 5 mlを各チューブに加え懸濁し、一つのチューブにまとめる
-DMSO 750 µlを加え、氷上で10分間静置
この間に液体窒素をアイスボックスにいれておく
-100 µlずつエッペンチューブに分注し、液体窒素に投入急速凍結
-エッペンチューブを回収し、-80°Cで保存
コンピテンシーの確認
一応、自作したコンピテントセルはコンピテンシーを確認しておくと安心
-コンピテントセルを氷上で解凍し、10pgのpUC19を加える
-氷上で20分静置し、42°Cで60分間インキュベートし、氷上で2分静置
-SOCを1 ml加え、37°Cで20分回復培養
-集菌し、全量をLB-amp プレートへまき、37°Cで一晩培養
-コロニー数をカウント
100個ぐらいでギリギリ使えて、1000個を超えると普通の実験で困ることは一切ないと思います。ちなみに100個で10
7 cfu/µg、1000個で10
8 cfu/µg
-コンピテンシーの単位は colony formation unit (cfu)/µg (plasmid)
transformation buffer
MnCl2・4H2O 5.44g 55 mM
CaCl2・2H2O 1.10g 15 mM
KCl 9.34g 250 mM
PIPES (0.5M pH6.7) 10 ml 10 mM
up to 500 ml
フィルター滅菌、分注して-20°Cで保存可能