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大腸菌での膜タンパク質発現②






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大腸菌での膜タンパク質発現②






大腸菌での膜タンパク質発現②

膜タンパク質を可溶性タンパク質として発現させる方法を紹介しました。

大腸菌での膜タンパク質の発現①


今回は、大腸菌のシグナルペプチドを目的タンパクのN末端に付加することで大腸菌の膜に発現させる方法。

まずは、目的タンパクのN末端にシグナルペプチドがあるか調べます。

目的タンパクのアミノ酸配列をSignalPになげてあげればシグナルペプチドと切断部位を予測してくれます。

SignalP
http://www.cbs.dtu.dk/services/SignalP/


次に、大腸菌のシグナルペプチドについて。
大腸菌の膜タンパクはいくつかありますが、異種発現に使われるものはPelBとOmpAのシグナルペプチドです。

PelB
MKYLLPTAAAGLLLLAAQPAMA

OmpA
MKKTAIAIAVALAGFATVAQA

 


SignalPで予測したシグナルペプチドをOmpAもしくはPelBのシグナルペプチドに置換した変異体を作製します。

少しプライマーが長くなりますが、
pelBの時は

5-ATGAAATACCTGCTGCCGACCGCTGCTGCTGGTCTGCTGCTCCTCGCTGCCCAGCCGGCGATGGCC--目的遺伝子の配列-3

OmpAの時は

5-ATGAAAAAGACAGCTATCGCGATTGCAGTGGCACTGGCTGGTTTCGCTACCGTAGCGCAGGCC--目的遺伝子の配列-3

というフォワードプライマーとリバースプライマー (ジーンスペシフィックプライマー) を使ってPCRでキメラ遺伝子を作製し、発現ベクターにのせます。

あとは大腸菌で常法に従って発現させます。
個人的には、膜に発現させる時はBL21よりもC41のようなストレス耐性株の方がうまく発現できることが多いです。


ちなみに、PCRでキメラを作らなくてもpET22はPelBのシグナル配列、SigmaのpFLAG-ATSはOmpAのシグナル配列があるのでコンストラクトの構築は簡単です。







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